
タイトルに感謝をこめて
「メモランダム音ランダム」このタイトルは八木正生さんが「話の特集」という
月刊誌に1981年2月から12月号にかけて連載していたエッセイのタイトル
です。
八木さんは1991年3月に亡くなりました。その間20年以上に渡って私の
一番の理解者でした。その八木さんに感謝の意味を込めてタイトル「メモランダ
ム音ランダム」を使わせていただきました。
八木さんはジャズピアニストであり作曲家。東映映画「網走番外地」シリーズ
始め、和田誠さん監督の映画「怪盗ルビー」等(私も参加しました)数多くの映
画音楽を作曲しています。また数多くのコマーシャル音楽をも作曲「ネスカフェ
ゴールドブレンド」のメロディーは現在も流れています。
始めての出会いは私がテイチク会館スタジオにいたときです。イタリアの名ト
ランペッター、ニニロッソの「日本の軍歌」というタイトルでの録音でした。
MJQスタイルのサウンドが出てきた時の驚きは忘れられません。とにかく私は
ジャズキチでしたから、その時の光景は、今でもはっきりと想い出す事ができま
す。
そして2年後、1970年ニッポン放送サービスに移りアルバイトでやり始め
たコマーシャルの録音。その最初の仕事が八木正生さん作曲のインスタントコー
ヒー「ネスカフェ」とても運命的な再会でした。
この時の録音はとんでもない大編成。当時のスタジオセンター(後の日活スタ
ジオ)に入りきらないほどだった。
この録音の前日、同じスタジオでボストンポップススタイルの録音をしていま
した。この延長線の感じだったので特にプレッシャーは感じませんでした。
この大編成でオーディションだったのです。そして、随分後に聞いた話ですが私
のオーディションでもあったのです。
八木さんの音楽が素晴らしかった。録音も素晴らしかった。代理店もフイルム
プロダクションも感動のあまり腰がぬけ立ち上がれなかった。(冗談だからね!)
そのくらい素晴らしかった。
この時のディレクターが、現在のミスターミュージック社長の吉江一男さん。
結果ロンドンで制作された、ある有名な曲のカバーに決定、幻と化してしまった。
音楽も録音もすばらしかっただけに残念に思いました。私の勝手な憶測ですが、
このとき既に、八木さん作曲の、♪ダバダー・・・♪と伊集加代子さんがスキャ
ットで歌う「ネスカフェ・ゴールドブレンド」は一世を風靡していた。不採用に
なった理由はその辺にあったのではないかと思われます。この録音がきっかけで
八木さんとの20年以上に渡る付き合いが始りました。
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