back

八木正生さんの七回忌

yagi

『八木正生の世界/オリジナルサウンド・トラック』

 1997年4月、八木正生さんの七回忌の法要が、都内のライブハウスで行われた。
三回忌の時もそうだったが私は仕事で欠席した。この七回忌に合わせてメモリアムア
ルバムとして発売されたのだと思う。送って頂いたことを忘れていた。愛情が感じら
れないと言われればそれまでで全く申し訳ない・・・。

 このCDは、東宝レコードから1978年に発売されたLP『八木正生の世界/オ
リジナルサウンド・トラック』これに、和田誠さん監督作品、映画「怪盗ルビイ」の
サウンド・トラックから「 MORE AND MORE 」を加え、復刻されたものです。
 録音は私が担当しています。軽いボサノバのリズム。ストリングが美しくややメラ
ンコリックでたいへんオシャレな曲です。

 ブックレットに八木さんの映画音楽作品の全リストが載っている。その数185本。
ちなみに一本目の作品は、昭和34年(1958年)新東宝映画 監督:石井輝夫
「日本ロマンス旅行(第二話札幌篇)」 出演:由利徹、南利明、喜劇映画ですね。
 なんといっても目を引くのは「網走番外地」シリーズ。それと、ドキュメンタリー
映画が以外に多い。35本ある。この185本の中から 17 本と「怪盗ルビイ」から
1曲を含めた合計18曲収められている。

 貝山知弘さんのインタビューが興味深い。その会話の中でこの時代の映画音楽に対
する録音のあり方に疑問を投掛けている。既に音に厳しい人だったようです。
 曲目の解説もインタビューに答える形になっている。作品に対する想いれ。監督と
の葛藤。その時の状況が伝わってくるようだ。

 八木さんはジャズピアニストですから、当然ジャズっぽいものが多いのだが、それ
はゴリゴリのジャズではなくて、洒落た、ジャズっぽいエッセンスの香りがする現代
音楽的って感じだ。現代音楽というと、なにか難しく、取っ付きにくいと思われがち
だが、都会的で洗練された・・と解釈して頂きたい。とっても親しみやすく温かい。
 私は八木さんのコマーシャル音楽を一緒にさせてもらって、特に印象に残っている
のが、男性用化粧品、資生堂「タクテクス」シリーズ。宍戸錠さんが出演していた。
この音楽がとっても現代音楽していて私の好きなシリーズだった。

 最後のページに和田誠さんが八木さんとの想い出を書いている。自分の作詞、作曲
をしたものを、東映映画「親分(ボス)を倒せ」で使ってくれた話や「殺人(マーダ
ー)」という短編アニメーションにタダで音楽を書いてくれた話など八木さんに対す
る愛情がいっぱい感じられる。
('99/1/7 記)

amazon

back