リメイクの録音は楽しい。ようするにオリジナルそっくりに作る録音のことだ。 仕事のリストを見ると以外と多くやっている。 「スパイ大作戦のテーマ」演奏:ビックビートスタジオオーケストラ。まだ駆け 出しだった1969年、テイチク会館スタジオ時代に録音している。 このテレビ映画は当時大変な人気で、ラロシフリンの音楽が素晴らしかった。 5拍子の軽快なリズム。何かを予感させる暗示的なサスペンスな導入部は、耳に しただけでテレビの前から離れられなかった。 テイチクレコードのユニオンレーベルが「ビックビートスタジオオーケストラ」 とイージーな、ウサンクサイ名前でリリース。リメークなのだが、これはオリジ ナルだと思わせる企画意図がみえみえ。 現在のようにレコードは自由化されてなかった時代だ。メーカーが契約をして いるレーベルにしても発売は本国の数ヶ月後。手続きでスッタモンダしているう ちにチャンスを逃してしまう。一日も早く出したいとなると、録音したほうが早 かった。 ----- 1970年、MGM映画「去年の夏」演奏:コロムビア・シンフォネット、と なっているから、これは疑われることのない、正しいリメーク盤。 アレンジャーはオリジナルを聞きながら採譜し譜面を作る。本物と寸分違わず、 しかもオリジナルより録音がよくても、それはオリジナルではない。これに紛ら わしい、誤解を招くような、いかにも聞いたような楽団名だったらどうだろう、 誰も疑わない。 私が駆け出しの頃、数多くの録音させてもらった、テイチクレコードのユニオ ンレーベルでは「ミシェルポエミと彼の楽団」「ガイマーギー楽団」「ハリウッ ドフィルムサウンドオーケストラ」などとこれらは皆そんな意図で制作れている。 何んの疑いもなく向こうの物と思い込んで買ってしまうだろう。 これが「イヨベ・トミジと彼の楽団」という名前だったら「へえ〜」てな感じ で「オリジナルはないのかな・・・」と思ったら、もう買ってくれない。 横文字にすれば売れるんだからしょうがない。これを偽ブランドと言わずして 何と言うのか・・・。 この時代、どこのメーカーも、同じように世界の映画音楽などをリメークして いた。レコードが自由化された後、このような録音はしてないみたいだ。 ----- 1974年に録音した「ダラスの熱い日」これはタイトルバックの1分半位し かなかった曲。この録音は先の二作品とは少し状況が違っている。短い印象的な テーマはそのまま生かし、このテーマをモチーフにして展開される構成になって いる。前半部分はリメーク。後半からは日本人による作曲。 完成したこのレコードを、担当プロデューサーがオリジナル作家のランディー エデルマンに聴かせたら「私のイメージしていた通りだ」と言っていたという。 と同時に録音もホメラレタと言っていた。 ----- 1979年、20世紀フォックス映画「新・明日に向って撃て」のイメージソン グとして製作された。 前作「明日に向って撃て」は名作中の名作。この「新・明日に向って撃て」は ご存知、ブッチとサンダンスの若き日を描き、前作に勝るとも劣らぬといわれ評 判だった。 前作のロバートレッドフォードとポールニューマンはウイリアムカットとトム ベレンジャーに。監督はリチャードレスター。