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ビートルズに関係する続き

 私がミキサーなんて職業があることさへ知らなかった二十歳前後の頃、音楽は
モダンジャズにしか興味がなかった。このジャズを聴かせる店は何処もオーディ
オに凝っていて、イイ音で聴かせていた。
 同じマイルスデビスが何でこんなに音が違うのか、それはオーディオのせいだ
けではなく、録音のせいによるものだということが分かり、さらにエンジニアの
違いが音の違いなんだと、その方面にも興味持始めた頃だった。
 そんな中で全く違ったオーディオシステムでも、一定の水準ですばらしい音が
していたルディバンゲルダーというエンジニアを知ったのもこの頃だった。
 こんな時、千円のマイクロフォンを裏返しで録音したような「ビートルズ」の
あのオトは論外だった。
 プロのミキサーとなり、そしてこの年齢になって「問題は中身だよ」というも
のの、でもあのオトはすきになれない。私の個人的趣味の問題なのだが・・・。

 時代は1960年代初頭、オーディオは「ハイファイ」に向って突き進んでい
た時代、世の中に逆行していると感じた。
誤解のないよう言っておくが、イギリスのEMIの録音技術が劣っていたという
ことではないんだ。録音技術の問題ではないんだ。その証拠に、プロデューサー
のジョージマーチン氏は、初期の録音でドラマーのリンゴスターを使わなかった。
替わりにセッションドラマーを使っていた。
 これは何を意味するのか、説明するまでもなく下手だったからで、これはテク
ニックの問題。当然、出すオトもリズムもよくない。なにもリンゴスターだけで
はなかったろう、他のメンバーも同じようなものだったと思う。不幸にもドラム
は録音の要になる楽器だけに「せめて」という考えだったのだろう。ようするに
録音のヨシアシはミュージシャン次第なんだ。

 録音技術そのものは昔と何も変っていない。確かにシステムは比較にならない
ほど進歩した。だからって録音は飛躍的によくなったかと言うと、果たしてそう
だろうか、逆に悪くなってしまった。
 昨今の「ローファイ」なる呼称、これが録音技術のテクニックだというのなら
オジサンは黙っていられない。
 「ローファイ」「ハイファイ」と相対する意味なのだが、はたしてそうなのか。
「ローファイ」このお手本の一つが「ビートルズ」なのだ。「時代はクリカエサ
レル」というのとは意味が違う。

 録音機材の異常なこだわり方がある意味で「ハイファイ」指向?と私は思って
いた。どこで「ローファイ」とむすびつくのか、そのへんのところがいま一つ解
らない。これはどう考えても終戦直後の「やみ鍋」なのではないか。・・うん?
あまりにも意味不明な例えで恐縮です。先日この時代のニュース映画を観たばか
りったものですから・・・。
進駐軍のレストランから出た残飯を大鍋で「ごった煮」にしたシチュー。想像す
るだに・・・・ですね。

 「ローファイ」の話、ようするに演奏や録音の未熟さをこんな風に「ごった煮」
にして誤魔化そうという考えなんでしょうね。そう解釈しないとオジサンの頭が
「ごった煮」です。
 それにしても「ローファイ」とはヤナひびきだな。「ハイファイ」の意味を知
らずして口にするんじゃない!。

『ハイファイ』ハイ・フィディリティ(high fidelity)の略。
高い忠実度。オーディオが発展途上だったころ、限界ある機器
のスペックに対してプロデューサーやエンジニアの、録音に対
する精神的、音楽的取り組み方。
イイ音を出すミュージシャンやオーケストラ。イイ響きがする
ホールや楽器。そしてそのセッティング方法と確かな耳。基本
ですね。こういう努力の積み重ねがあって、始めてイイ録音に
つながったのだ。ローファイ、low fidelity と綴るのかな・・・。
冗談じゃないね!!!。


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