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古典四重奏団・QUARTETTO CLASSICO
(バルトーク5番 ベートーヴェン14番)




Allegro Music
EXL-6019

バルトーク 弦楽四重奏曲 第五番 Sz102
ベートーヴェン弦楽四重奏曲 第14番 嬰ハ短調 作品131
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古典四重奏団 / QUARTETTO CLASSICO


Violin I :
Violin II :
Viola :
Cello :


川原千真
花崎淳生
三輪真樹
田崎瑞博

 チェロリストの田崎瑞博さんは三つの音楽グループに所属していた。その一つ「音楽三昧」
と云うグループの録音打ち合わせでお会いしたのが最初だった。
「音楽三昧」はフルート奏者の田中潤一さんが中心のグループ。田崎さんはここではビオラを
担当。他に、ヴァイオリン、コントラバス、チェンバロとハープの5人編成、既に2枚のCDを
リリースしていた。
 私に声をかけてくれたのは、カテリーナ古楽合奏団の「ドゥクチャー」を聴き、「こういう
音を望んでいた」と言う理由だった。(いろいろな事情で三年後の平成10年5月に録音)
この時、田崎さんが中心のこの「古典四重奏団」の録音を依頼された。録音は翌年四月、ホー
ルも決まっていた。

「古典四重奏団」は、モーツアルトのCDを一枚リリースしていた。今回の録音は、バルトーク
の5番とベートーベンの14番、随分色彩が違う。
演奏会に行って驚いた。四人の前に譜面台がない。全曲あん譜で演奏していた。これはすごい。
何か迫ってくるものを感じた。それにしてもあの長丁場の全プログラム曲を覚えられるものな
だろうか。人間業ではないと思った。二度目の演奏会を聴いた時も同じ印象を受けた。
録音イメージは決定した。

 機材のリストを作成、見積もりをしてもらった。「ちょっと高いのでは」と言った。そうい
うことだったらホールの下見を兼ね、機材等をチェックして来たい、と出掛けることにした。
場所は秩父ミューズパーク音楽堂。秩父へ向う車の中で「そういう機材でクォリティは大丈夫
なのでしょうか」当然な疑問だ。とても心配な様子。私は経済的な事を考え、ホールの機材が
使えるものならそれで録音する考えでいた。とても極端な考え方と思われるかもしれないが、
こだわらない人だから出来ることなんです。イイ演奏が録れればそれでイイと言う人なんです。
いきなりこんな質問されると思わなかったので返答に困ってしまった。予算とクゥオリティは
比例する。

 秩父ミューズパーク音楽堂は今回の録音には響き過ぎ、私のイメージする録音が出来ないと
判断した。そのとき機材の事は頭から消えていた。それどころではない。この12月の時点で
キャンセルしたら、来年4月の日程でホールを見つける事が出来るだろうか、そんな事を考え
ていた。私の我がままは許されないだろう。
また、このホールで録音しなければならなくなったらどんな対策があるのか。車の中で今回の
録音のイメージ等を話していたので、田崎さんも同じように感じたのだろう「キャンセルしま
しょうか」と言った。何れにしろ今日この場でキャンセルする事はない。取り敢えず音響室を
見せてもらって帰った。

 数日して田崎さんに電話した。予定通り秩父で録音する。機材は料金も含め納得出来る物を
用意する。そう伝えたあと、ミューズパーク音楽堂で録音されたCDを探しにWAVEへ行った。
三枚見付け聴いた。どれもホールの特徴を最大限に生かし、逆らわずに自然に録音している。
「まあ、こんなもんだろう」しかし私にはどれも響き過ぎに聞こえる。この響きを半分に抑え
て録音可能だろうか。そう言えば大きな金屏風があった、使ってもよいと言っていた。バトン
に黒幕を吊すのもいいかもしれない。出来れば、二重か、三重に・・。しかしどれだけ効果が
あるのか。数も、そうあると思えない。だいたい、ホールを借りておいて何でこんな事を・・。
どれも美しいやり方ではない・・・。「やはり、あの方法しかないだろう・・・」自信持って
「秩父でやる」と言った方法だ。

 1996年4月14日 日曜日、録音方針は決定していた。8時30分車で出発。爽やかな
良い天気。自宅から秩父市内まで一時間とかからない。
市内から荒川に架かる美しい大きな吊り橋を渡る。目指すホールは街を一望する丘の上。車は
きついカーブの続く坂道を登る。桜はほころび始めたばかり。坂の途中に札所二十三番音楽寺
がある。職業がら素通りは出来ない、お参りをする。田崎さん達は前日に秩父入り。ホールで
のリハーサルも済んでいる。

 機材は私と前後して到着した。搬入。セッティングに取りかかる。予定通りだ。
「おやっ」ステージの様子が変だ。昨日リハーサルしたままに椅子が並んでいる。この並びが
変だ。私が懸念していた事が現実だったのだ。響きすぎてアンサンブルが出来なかった。多分
そうに違いない。きっと試行錯誤の末この並び方になったと判断した。
 ステージぎりぎりまで前に出て、しかも客席に背を向け、四人は、ほぼ直線的な感じに並ん
でいた。この位置関係が一番アンサンブルしやすかったのだろうか・・。やっぱりそうだった
か・・。これを見て今回の自分の考えていた録り方に自信を持った。

 客席の椅子、前三列を取り外した。その中央に四人分のスペースを作った。ここが今回のス
テージだ。そう・・、客席でやるのだ。
メンバーが到着した。田崎さん開口一番「お互いの音が聞こえなくてね・・この並びで・・・」
「えっ!!!客席でやるんですか・・」とにかくこの位置で音出してもらった。四人の並びは
いつもの通りの位置関係。
第一バイオリンと第二バイオリンは向かい合う。第一バイオリンから時計廻りにチェロ、ビオ
ラ、第二バイオリンとやや深い半円形。メンバー半信半疑で位置に着く。「うわ〜やりやすい」
四人の顔がほころんだ「とっても演奏しやすい」と納得。私は思わずニンマリ。田崎さん始め、
メンバーは「ホッ」としていた。響きも計算通りだ。これで終ったも同然だ。

 録音コンセプトは私が始めて聴いた時の印象そのまま、攻撃的でありかつ挑戦的なイメージ。
言葉はわるいがガツガツしたサウンドだ。「音楽三昧」の田中潤一さんが今回のサウンドディ
レクター。かなり厳しい人。音とイメージを的確にとらえ微妙な注文が出る。手強い。
午後2時、音が決まった。食事の後、録音に突入した。

 機材は「カテリーナ古楽合奏団」と同じ、スタジオ「フオルク」の宮沢さんにお願いをした。
全面的に心よく協力していただいた。感謝感謝。
マスターリングは日本では彼しかいないと思っているソニーレコード田中三一氏。私のイメー
ジ通りに出来たことは言うまでもない。

Recording Date : 14~16.Apr.1996
Recording Location : Chichibu Myuzu Park, Ongaku-Doh
Engineer : Tomiji Iyobe (2ch Direct Recording)
Mastering : Mitsukazu Tanaka (Sony Music Shinanomachi Studio)
Coordinator for Recording Staff : Jun-ichi Tanaka
Recording Staff and Equipment : Sound Staff F O L K
Etching and Design : Rieko Fujinami

QUARTETTO CLASSICO
アレグロ ミュージック


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