back

角川映画『犬神家の一族』サウンドトラック




Victor SJV-1282

 SIDE 1

1. 愛のバラード
2. 怨念
3. 呪い住みし館
4. 仮面
5. 終焉
6. 愁いのプロローグ

 SIDE 2

1. 憎しみのテーマ
2. 瞑想
3. 湖影
4. 祈り (愛のバラードより)
5. 受難の血
6. 幻想
7. 孤独 (愛のバラードより)

Musician :
Yuji Ohno, Shigeto Ohara (pf)
Kenji Takamizu, Akira Okazawa (bass)
Yasushi Ichihara (drs)
Kiyoshi Sugimoto, Takao Naoi, Ryogo Kanari (e.guitar)
Chuei Yoshikawa (a.guitar)
Tadaomi Anai (perc)
Minoru Kuribayashi (h.org)
Takeshi Shinohara, Masami Nakagawa, Yukio Nishizawa (fl)
Masakazu Ishibashi (ob)
Kohji Yamaguchi (hrn)
Tetsuo Fushimi (trp)
Keiji Azami (dulcimer)
Masako Hirayama (biwa)
Minoru Suzuki Group (strings)
Hiroshi yoshizawa (cond)
(except side1-1 side2-1)


このサウンドトラックの録音は大野雄二さんから直接電話をもらった。だがスケジュールの
調整が出来なかった。「誰かいない」と言われ吉田保さんを推薦した。
8月中旬、モーリスタジオでメインテーマ「愛のバラード」と「憎しみのテーマ」が録音さ
れた。録音を聴かせてもらって、あまりの見事なサウンドに私は焦った。と同時に、一番お
いしいところを保さんにあげてしまったと思った。
本編部分は撮影が終わった9 月中旬、殆どをアオイスタジオで録音とミックスをした。この
アルバムのライナーノートに河野基比古さんが興味深いことを書いている、抜粋で紹介する。


これだけの大オーケストラが、しかも撮影所内のダビングスタジオでなく、外部の録音スタ
ジオでレコードと同じ設備、たとえば16トラックのレコーディング・テープを使って録音
されることは日本映画では珍しいのである。・・中略・・どんな困難がともなっても、これ
は早晩やらなければならないことであった。若い、耳のこえた世代の中で映画が食いこんで
いくためにも、そして映画自体の完成度をたかめるためにも・・・後略・・・


この時代、アオイの第7スタジオの設備はどうしようもなかった。ミキシングコンソールは
現在の民生機にも劣っていた。エフェクターなんて気の利いたものもない。ディレーはモノ
ラルのテープレコーダを使っていた。
ノイズリダクションが設置されてなかった為に、全チャンネル16トラックをEQ処理した
テークがあった。モーリスタジオでうっかりドルビーを入れて録音してしまったためだった。
録音トラックがなくなって、シンセサイザー等はミックス時に一発録音さながらに大野さん
が弾いた。

レコード聴きながら書いていて想い出した。「呪い住みし館」という曲の冒頭「グワン〜」
という音が入っている。これは映画にも出演していて音楽制作プロジェクトにも参加してい
た女優の川口晶さんのアイデア。この音はガットギターを床に叩きつけた音だ。タイトル通
りの忌まわしい雰囲気がよく出ている。

ギターは自分のものを持ってきた。壊わした後ではやり直しがきかない。充分イメージを聞
いた上、失敗のないよう、マイクロフォンを何本かセットしマルチ録音をした。自分がやる
といって床に叩き付けたが、チカラが足りなかったのかショボイ音。腕力に自信のある奴を
起用。さらに歩道から敷石を剥して来て用意。これに叩き付ける。効果を高める為、弦をゆ
るめ、ベロンベロン状態。そして本番。録音は大成功。晶さんはイメージ通りと大満足。
勿論ギターはバラバラ。

(1998年ワーナーミュージック・ジャパンからCD化された)
大野雄二 fan's hp

back