一昨年の「あそびうたクラブ」昨年の「あそびうた講習会」そして今年は「あそびうた研究所」と、
タイトルからして、ホップ、ステップ、ジャンプ、という感じで、音楽的に勿論のこと、その音づ
くりも飛躍的にすばらしいものがある。
このシリーズ、ミックスを除いて全て中川ひろたかが一人でつくり上げた。一昨年の「あそびうた
クラブ」は「いいアルバムが出来た」と、本人ひそかに満足したのは、その録音機能を使い倒した
ところにあったのではないのか。その自信が昨年の「あそびうた講習会」へと突入していったので
ある。そして「どうだ!」ばかり納得したのだがしかし、彼はそのことに甘んじはしなかった。
当然のことだが、使いなれてくるといろいろと不便やら不満やらが出てくるのは自然なことだろう。
「生ギターがイイ音で録れないんだよね」と私にいった。「キカイのせいにしてはいけない」まぁ、
私、プロですから取り敢えずそう答えるしかない。私のように「こんなもんだ」と諦める人ではな
かった。
実は、音楽だけではなく、音に対しても前向で好奇心旺盛な人だった。私もあのコンパクトにまと
まったアタッシュケースについては、機能は申し分ないのだが「値段の差が音の差」という、ひと
くくりにされてしまうところに不満はあった。
例えば、マイクロフォン、ヘッドアンプ、はてはケーブルなんかにこだわってもその微妙な色あい
は判然としない。何をつないでも、あの個性的なカラーになってしまう。意図しないその色が、耳、
鼻についてきて、キカイのせいになってくる。
そしてついに録音業界の定番になってしまったプロトゥールスシステムを導入する。ジャジャ〜ン。
「そのとき歴史はうごいた」そしてそのサウンドは「ジャンプ」したのである。ホームレコーディ
ングの枠から大きくはみ出したサウンドが楽しめる!。